日常で必要とされる小物を揃えた、Artekの新ライン。Artek abc Collection

2012年9月にパリのメゾン・エ・オブジェで発表されたArtek(アルテック)社の「abc Collection(エービーシーコレクション)」。
アルテックの「Stool60」や「Chair66」、「Golden Bell」といった、洗練されたシンプリシティと長く愛用できるよう施された機能的な設計の家具や照明ともナチュラルに協調する、日常の暮らしにおいて実用性の高い小物を集めた新しいラインです。

ネーミングには暮らしの基本となるアルファベット、ABCという意味が込められています。
ファブリック小物や文房具、アートポスターといった日々の生活の中にある小さなニーズに応えるラインナップで、その端麗で感覚的なテキスタイルパターンやグラフィックデザインは目にも美しく、日々の生活シーンに心躍る新鮮な日常感をもたらします。

「abc Collection」の第一弾として発表されたのが、1954年、Alvar Aalto(アルヴァ·アアルト)が自身の建築物の室内装飾のためにデザインしたテキスタイル、シエナ柄のホームウェアとテーブルウェアです。

当時イタリアの建築や地中海文化に魅了され、感化されていたアアルト。シエナ柄の規則的な模様は、イタリア·トスカーナに在るシエナ大聖堂の大理石の縞模様がモチーフになったと言われています。
このシエナ柄のファブリックは、ヘルシンキの閑静な住宅街にひっそりと建つアアルトの自邸で、書斎入り口のカーテンのほか、リビングに置かれたピアノのカバーとしても使われています。

日常で必要とされる小物を揃えた、Artekの新ライン。Artek abc Collection

Siena / © Artek

続いて、2013年1月のメゾン·エ·オブジェで発表されたのが、アアルトの後妻、Elissa Aalto(エリッサ·アアルト)が1955年にデザインしたH55柄のファブリック小物と、そしてドイツのデザインスタジオ、「Greige(グレーグ)」が新たに手掛けたステーショナリーシリーズです。

1949年に最愛の妻であり、建築家、デザイナーとしても最良のパートナーであったAino Aalto(アイノ·アアルト)を癌で亡くしたアアルト。アイノとの死別後、自分自身を見失いかけていたアアルトの心を支えたのが、当時アルヴァ·アアルト建築事務所で設計のアシスタントとして働いていたエリッサでした。
1952年にエリッサと再婚したアアルトは、それから二人でテキスタイルのデザインも手掛けるようになります。
「abc Collection」の第一弾として発表されたテキスタイル、シエナもその一つです。

1955年、アアルトはスウェーデンで開催されるヘルシンボリ住宅フェアの実行委員会から招かれ、フィンランドの住宅部門のデザインを請け負います。
H55というタイトルが付いたこの「H55万博」には各国から有名な建築家やデザイナーが招待されていました。そしてそれぞれの国から招聘された建築家やデザイナーが家具付きの住宅を手掛けるというものでした。
アアルトはベルリンのティーアガルテンに設計していた集合住宅プロジェクトの一部を取り入れ、近代的で美しい3~4部屋にキッチン、パティオが付いた住宅を完成させます。狙いは戸建て住宅と賃貸住宅を組み合わせることでした。
そしてこのとき室内装飾で用いられたのが、エリッサがデザインしたテキスタイル、H55でした。

日常で必要とされる小物を揃えた、Artekの新ライン。Artek abc Collection

H55 / © Artek

新しい文房具シリーズは、アルテックの理念とクラフトマンシップに基づき、”手と心の結びつき”をテーマにしています。
ドイツ人グラフィックデザイナー、Mark Kiessling(マーク·キースリング)とBirthe Haas(ビルテ·ハース)が手掛けた製品群は、日々の暮らしの中の小さなことに眼を向けようという、アルテックの価値観を表出しています。

美しさとタイムレスを謳うメッセージが印字された小ぶりなノートブックやメモ帳、アルテックのロゴが入った木製定規や三角スケール、カーペンター定規、テープメジャー、鉛筆。また、アルテックの名作家具や照明をモチーフにしたアイコンポスターやポストカード、これらはクオリティの高い艶やかなスモールオブジェクトであり、室内装飾やコミュニケーションツールとして大切な道具でもあります。

文房具に関しては印字方法にもこだわり、現在その技術が失われつつある昔ながらの凸版やシルクスクリーンなど、今でも手仕事の部分を大切にしています。
シルクスクリーンは色のニュアンスが出やすいことと印刷部分の手触りが良いことで、現代アーティストたちが好んで用いた技術。豊かな表現が可能なそのシルクスクリーン技法によるアイコンポスターは、何層もの重ね刷りの末に生まれたビビッドで明快な色彩で作り上げられています。

日常で必要とされる小物を揃えた、Artekの新ライン。Artek abc Collection

Stationery Collection / © Artek

“Nothing old is ever reborn, but neither does it totally disappear.”(古きものは変わることはないが、完全に姿を消すこともない)
“Beauty is the harmony of purpose and form.”(美しさは機能と形の調和から生まれる)
“Make it yours.”(それをあなたの暮らしに)
これらはノートブック表紙に印字されているアアルトが残したメッセージの一部。
日々の暮らしで必要とされる小物を揃えた「abc Collection」には、昔から引き継がれてきた手仕事と小さなオブジェクトへのオマージュが集約されています。

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Brand:Artek / https://artek.fi/

Category:FEATURE

File Number:011