ル·コルビュジエの原点に迫る展覧会。国内唯一のコルビュジエ建築で開催

「ヴォワザン計画」図面の前のル·コルビュジエ 1926 © FLC

2019年2月19日(火)から5月19日(日)まで、東京·台東区にある国立西洋美術館本館にて、モダニズム建築の父として知られる大巨匠、ル·コルビュジエの原点を探る展覧会「ル·コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」が開催されます。

フランク·ロイド·ライト、ミース·ファン·デル·ローエと並び、近代建築の三大巨匠の一人に数えられる、20世紀を代表する革新的建築家、ル·コルビュジエ。
彼が提唱した「ピロティ」「屋上庭園」「自由な平面」「水平連続窓」「自由な立面」の5つの要素からなる近代建築の五原則を具現化した、モダニズム住宅の傑作と評される「サヴォワ邸」をはじめ、設計を手掛けた数々の作品は後世の建築デザインに多大な影響を及ぼしています。

国立西洋美術館本館は、1959年にル·コルビュジエによって設計された日本で唯一のコルビュジエ建築。
今年で開館60周年を迎えることを記念して開催される本展では、若きしのル·コルビュジエ(本名:シャルル=エドゥアール·ジャンヌレ)が30歳を過ぎてから故郷のスイスを離れ、芸術の中心地パリでピュリスム(純粋主義)の運動を推進した時代に焦点を当てて、画家としての一面を持つル·コルビュジエが若年期に描いた絵画作品を中心に、建築、都市計画、出版、インテリア·デザインなど広範囲にわたった約10年間の創造的活動が紹介されます。

ル·コルビュジエの原点に迫る展覧会。国内唯一のコルビュジエ建築で開催

サヴォワ邸(1928-31年)

第一次世界大戦終結直後の1918年末、機械文明の進歩に対応した「建築と総合」の芸術を唱えるピュリスム(純粋主義)の運動に注力した若きジャンヌレ(ル·コルビュジエ)。
数学的な比例と幾何学的な構図で作りあげるピュリスム絵画の制作に取り組みながら新しい建築の創造を目指したジャンヌレは、1920年代、パリの美術界の先端を行く芸術家たちとの交流から大きな糧を得て、自身を「ル·コルビュジエ」と名乗るようになり、本格的に建築家としての活動をスタートさせます。

「シャルル=エドゥアール·ジャンヌレ」から近代建築の旗手「ル·コルビュジエ」へと変貌していった彼の、建築における精神的な源流といえる絵画制作。
彼の建築を理解する上で重要な手掛かりとなる、初期の頃に描かれたピュリスム絵画の展開をたどりながら、ル·コルビュジエの造形思考の発展過程を振り返ります。

ル·コルビュジエの原点に迫る展覧会。国内唯一のコルビュジエ建築で開催

シャルル=エドゥアール·ジャンヌレ《開いた本、パイプ、グラス、マッチ箱のある静物》
1918年頃 鉛筆·グアッシュ、紙 37.5×53.5cm
パリ、ル·コルビュジエ財団 © FLC/ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2018 B0365

ル·コルビュジエの原点に迫る展覧会。国内唯一のコルビュジエ建築で開催

シャルル=エドゥアール·ジャンヌレ《多数のオブジェのある静物》
1923年 油彩、カンヴァス 114×146cm
パリ、ル·コルビュジエ財団 © FLC/ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2018 B0365

ル·コルビュジエ設計のもと、パリで彼に師事した坂倉準三、前川國男、吉阪隆正という3人の日本人建築家の協力により完成した国立西洋美術館本館。
柱で建物を持ちあげることで、人も風も自由に行き来できる気持のいい空間をつくる「ピロティ」や、鉄筋コンクリートによる水平の屋根に植物を植えることで、豊かな屋上空間を生み出した「屋上庭園」、柱で床を支えることで自由な間取りデザインを可能にした「自由な平面」、部屋の隅々にまで均一な光を採り込むことができるよう壁面の横幅いっぱいに設けられた窓「水平連続窓」、建物の荷重が柱で支えられることで構造上の壁による制約から解放され、自由な外壁デザインを可能にした「自由な立面」。
これら近代建築の五原則に加え、展示空間を渦巻きのように螺旋を描きながら昇っていくスロープの動線など、ル·コルビュジエの建築的な特徴や思想が強く表現された作品であることなどから、2016年にはユネスコ世界文化遺産として登録されました。

ル·コルビュジエの原点に迫る展覧会。国内唯一のコルビュジエ建築で開催

国立西洋美術館本館 / 撮影:新良太 © 国立西洋美術館

コルビュジエ建築の原点である絵画作品をはじめ、家具や建築模型、都市計画を再現した3D模型、建築図面や出版物、さらには、ル·コルビュジエのキャリアに影響を与えた同時代の優れた前衛芸術家たちの絵画や彫刻作品、その他関連資料を含め計130点余りが展示される大規模展。

ル·コルビュジエが世に出た時代の精神を、彼自身が作り出した世界遺産建築の中で感じ取ることができる、またとないとても稀有な展覧会となるでしょう。

ル·コルビュジエの原点に迫る展覧会。国内唯一のコルビュジエ建築で開催

国立西洋美術館開館60周年記念「ル·コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」

会期:2019年2月19日(火)~ 5月19日(日)

会場:東京都台東区上野公園7-7 国立西洋美術館本館

時間:9:30~17:30(毎週金曜日·土曜日は20:00まで)

休館日:毎週月曜日(但し、3月25日、4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)

観覧料:一般1,600円(1,400円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生800円(600円)、中学生以下無料

※ ( )内は前売券料金及び、20名以上の団体券料金

※ 心身に障害のある方と付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳を提示)

※ 入館は閉館の30分前まで

https://lecorbusier2019.jp/