従来の和紙とは一線を画す新しい和紙の表現、SIWA / 紙和

紙の先入観を変えてしまう不思議なテクスチャー。手にとったときの紙とも布とも革とも違う独特のさらりとした触感と、クラシカルな見た目の美しさ。親しみのある身近な素材としての和紙のもつ風合いを残しつつ、これまでにない革新的な新しさを併せ持つ「SIWA | 紙和」の製品。
ブックカバーやタブレットケース、ボックスなどは、様々なテイストのインテリアともしっくりと調和するほか、バッグや財布、帽子などは、既存のファッションアイテムと組み合わせても違和感がありません。余分なデザインは一切なく、素材の本質的な美しさとしなやかさが引き立つからこそ、使うシーンやスタイルが限定されないのでしょう。

日本を代表する和紙の産地、山梨県市川大門に社を構える和紙メーカー「大直」が、山梨県出身で国際的に幅広く活躍する工業デザイナーの深澤直人を外部デザイナーとして迎え、2008年に立ち上げたブランド、「SIWA | 紙和」。
その評価と価値は年月を重ねるにつれ上昇し、今や「SIWA | 紙和」の製品はストックホルムの「Artek」、上海の「10 Corso Como」、ロンドンの「THE CONRAN SHOP」、シンガポールの「Red Dot Museum」など、幾多の著名ショップでも取り扱われ、現在世界20ヶ国以上で展開されています。

従来の和紙とは一線を画す新しい和紙の表現、SIWA / 紙和

© Onao Co., Ltd.

先祖代々、和紙作りを家業としてきた「大直」の主産品は障子紙。全国の5割を生産するトップシェアを誇るメーカーです。しかし、近年住宅環境の変化により障子紙の需要は年々縮小。地場産業としての和紙の生産は減少傾向になっています。
歴史ある産業を継続させるためにも、現代、あるいは次世代に必要とされる新たな製品開発を模索する中、同じ山梨県を出身地とする工業デザイナー、深澤直人に協力を求めました。

深澤が着目したのは、「大直」が和紙漉きの製法を用いて開発した破れにくい障子紙「ナオロン」でした。
「ナオロン」は通常の障子紙の約5倍の強度を持つという特徴がある一方で、一度付いてしまったシワはそのまま。もう元に戻すことができないという欠点がありました。しかしその欠点を逆手に取り、シワこそ最大の魅力と捉え、試行錯誤を繰り返した末に生まれたのが「SIWA | 紙和」シリーズです。

従来の和紙とは一線を画す新しい和紙の表現、SIWA / 紙和

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深澤は、紙をあえてくしゃしゃにし、最初からシワを付けることで新たな独特の風合いが出ることを見い出し、和紙の素材感を存分に引き出しました。
通常、紙にはシワ一つないことが当たり前とするメーカーの常識を覆して、和紙の優しく軽やかな質感や、味のあるシワ感を生かしたデザインを提案。そして、今までの和紙の概念を大きく打ち破る、日々の暮らしに密着した日用品としての和紙製品、「SIWA | 紙和」ができあがりました。

これまでの工芸品としての印象が強い和紙のイメージを払拭し、素材の持つ機能や風合いを活かした新しい製品、「SIWA | 紙和」。
「SIWA | 紙和」という名前は、紙の “シワ” という意味と “和紙” の反対読みの紙和という意味があります。

従来の和紙とは一線を画す新しい和紙の表現、SIWA / 紙和

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破れにくい障子紙「ナオロン」は、使い込むほどにシワも刻まれヴィンテージを思わせる肌合いが増し、革のような、しなやかな質感が楽しめる新素材。それでいて非常に軽く、また、手で触れたときの他にはない感触の良さは和紙という素材ならではのもの。

バッグや雑貨には「ソフトナオロン」という素材が使用されています。ソフトナオロンは木材パルプとポリオレフィン繊維を原料とし、和紙漉きの製法で作られた全く新しい紙です。
また、小物ケースなどは「RPFナオロン」という素材を使用。RPF(リサイクルペットファイバー)ナオロンは使用済みのペットボトルや使用済みの繊維製品から再生されたポリエステルリサイクル繊維を使って和紙漉きの製法で作られた紙です。
「ソフトナオロン」「RPFナオロン」、どちらも柔らかくしなやかな紙質ながら、破れにくく耐水性にも優れています。しかも、水に濡れた状態のほうがさらに強度が増すという特質もあり、仮に燃やしても有毒ガスは発生しません。

また、機能面でも十分満足のいく仕上がりに。
和紙を丹念に精製し、一点一点、布や革と同じように丁寧にミシンで縫製し、さらに素材の強度をより高めるため、袋縫いの二層構造に仕上げています。
バッグは10kgの耐荷重テスト済みで、重いものでも入れられるほか、傘などの濡れたものを入れても破れる心配がありません。紙素材という性質上、レザーやコットン地のバッグと比べると驚くほど軽いということも大きな魅力のひとつです。

日々の生活の中に和紙があることが懐かしく、心地いい、そして何より、しっくりときます。使うほどに愛着が沸き、使い始めると手放せなくなる品々です。

従来の和紙とは一線を画す新しい和紙の表現、SIWA / 紙和

© Onao Co., Ltd.

2009年、パリで開催されたメゾン·エ·オブジェに初出展。その後も毎年のように出展を続けることで、日本のみならず海外からの反響も益々上昇している「SIWA | 紙和」。
海外では紙という素材でバッグや衣服を作るという発想の斬新さと、日本の伝統技術の繊細さや美しさで注目を集め、高い評価に繋がっています。

また、2014年には、日本が誇る伝統産業である和紙の魅力をさらに世界に発信していきたいという思いの中で、和紙の表面に漆の柄の印刷を施し、「和紙」と「漆」の新たな融合を試みた新しいライン「SIWA × URUSHI」シリーズを発表。
漆のデザインに線菊文様や麻の葉文様といった日本の古典柄を用いたラインナップや、ハッリ·コスキネン、クラウス·ハーパニエミ、ミナ ペルホネンら国内外で活躍する3組のアーティストとのコラボレーションによる現代的な柄を用いたラインナップを展開しています。

従来の和紙とは一線を画す新しい和紙の表現、SIWA / 紙和

© Onao Co., Ltd.

平安時代から現在に至るまで千年という長い歴史を持つ和紙の産地、山梨県市川大門。その気高い峰々と清い水に恵まれた甲斐の国で、市川大門の紙業の歴史と歩みをともにしてきた老舗和紙メーカー「大直」。
代々受け継がれてきた伝統の中に新しい技術や感性、アイデアを盛り込むことで、従来の和紙とは一線を画す新たな和紙の表現を見出しました。

和紙の革命とまで言われるほど、紙の可能性を大きく拡げた「SIWA | 紙和」の製品。古くから日本人に馴染みの深い和紙とは思えないその触感や質感、艶感に驚嘆し、そして魅了され、日本の伝統工芸や伝統技術には、まだまだ大いなる可能性が秘められていることを改めて感じさせてくれます。

Brand:SIWA / 紙和 / http://siwa.jp/

Category:FEATURE

File Number:019