彩度を抑えた色づかい。PH5 Contemporary / ピーエイチファイブ コンテンポラリー

ブロンズカラーのパイプに、彩度を抑えた趣のある落ち着いた色づかいのシェード。世界の照明デザインに多大な影響を与えてきた北欧を代表する照明ブランド、louis poulsen(ルイスポールセン)社から発売された「PH5(ピーエイチファイブ)」シリーズの新作、「PH5 Contemporary(ピーエイチファイブ コンテンポラリー)」は、トレンドを踏まえながらも独特の色調と色彩バランスを施し、現代のあらゆる建築素材と調和する普遍性を重要視したペンダント照明です。

1958年、デザイナーで建築家でもあったPoul Henningsen(ポール·ヘニングセン)によって生み出された「PH5」。コペンハーゲンのデンマーク工芸博物館で開かれた展覧会、「ガラス、光とカラー」展において初めて発表されて以降、世界中の家庭やレストラン、カフェ、公共施設などで目にするほど広く浸透し、愛され続けています。

2008年には50周年を祝うハッピーバースディーカラーとして、ココナッツホワイト、ワサビグリーン、ミントブルー、チリレッド、オリーブブラックという5色の「PH50(ピーエイチ フィフティー)」がリリースされ、今なおベストセラーアイテムとして、世界各国のインテリア誌で取り上げられています。
空間を明るく彩る、これまでにないカラフルな「PH50」は、ポール·ヘニングセンの秀逸なアイデアとデザインの基本を変えることなく、インテリアにおけるデコラティブなエレメントとして「PH5」の新たな可能性を広げました。

そして2013年、時代の変化につれて、照明器具がますますインテリアデザインの大切な要素となった今、リリースされたのが「PH5 Contemporary」です。

彩度を抑えた色づかい。PH5 Contemporary / ピーエイチファイブ コンテンポラリー彩度を抑えた色づかい。PH5 Contemporary / ピーエイチファイブ コンテンポラリー

© louis poulsen

「PH5 Contemporary」の大きな特徴は、4枚のシェードと、一番大きなシェードの下に組み込まれた小さなリフレクターの色のコンビネーション。
タイプは、ホワイト&ローズ、ローズ&グリーン、といったソフトな色合いの組み合わせと、アーミーグリーン&ダークグレー、ダークグレー&ターコイズブルー、といった力強くも落ち着いた色合いの組み合わせ、計4種類。これらのカラーコンビネーションによって、照明器具が空間デザインの中で支配的にならず、周囲のインテリアとも調和し、溶け合います。

さらにもうひとつ、各シェードをつなぐパイプ状のスペーサーの、深みと渋みのあるマットなブロンズカラー塗装が印象的です。
シェード表面も、艶をもたせた50周年記念の「PH50」と異なり、「PH5 Contemporary」はマット仕上げ。これによりこのデザインアイコン照明を現代空間の中にすっと馴染ませ、しっとりと落ち着かせます。例えば、チーク材やオーク材などの様々な木材や、打ち放しのコンクリート、テキスタイルの壁紙など、あらゆる現代の建築素材と協調させ、そして、上品で優しく柔らかい、穏やかな雰囲気をつくり出します。

彩度を抑えた色づかい。PH5 Contemporary / ピーエイチファイブ コンテンポラリー

© louis poulsen

「PH」とは、デザイナー、ポール·ヘニングセン(Poul Henningsen)の頭文字から、「5」は、シェードの直径が50センチということからその名が命名された「PH5」。
ここで「PH5」シリーズの各々の特徴と違いについて要約して記しておきます。

PH5
1958年に発表されたオリジナルモデル。当初は100Wまでの白熱電球しか使用できず、また、下面のボトムカバーは金属製だったため、日本国内の使用環境下では多少暗さを感じてしまうことがありました。2002年頃、白熱電球150Wまで対応可、ボトムカバーは従来の金属からフロストガラスに変更されましたが、現在は既に廃盤となっています。

PH5 Classic
1958年に発表されたオリジナルの「PH5」に最も近いモデルで、ポール·ヘニングセン生誕100年の1994年にヴァージョンアップしたタイプです。旧名、「PH5 Plus(ピーエイチファイブ プラス)」と呼ばれてきました。
※「PH5」が廃盤になったのをきっかけとして、現在の正式名称は、「PH5 Classic」となっています。
白熱電球のみ使用可能だった「PH5」に対して、「PH5 Classic」は、省エネ化のため、電球型蛍光灯や電球型LEDが使用できるように改良され、また、蛍光灯及びLED使用時も下方を十分明るくするよう、下面のボトムカバーが従来の金属からフロストガラスに変更されています。シェード塗装色もそれまでのオフホワイトから純白に近い白に変更され、反射効率を高めています。オリジナルの「PH5」通り、リフレクターはブルー、各シェードを支える3本のパイプは藤色の塗装です。

PH50
「PH5」の発売50周年を記念して2008年に発表されたカラフルなアニバーサリーモデルで、シェード表面は光沢のある塗装です。カラーはココナッツ·ホワイト、ワサビ·グリーン、ミント·ブルー、チリ·レッド、オリーヴ·ブラックの5タイプ。LED電球使用時も光に暖かみを持たせるために、リフレクター塗装色がブルーからレッドに変更されています。各シェードを支える3本のパイプはシルバー色、マット塗装です。

PH5 Contemporary
2013年に発売された、現代の建築素材と色づかいに馴染む、彩度を抑えた色調を採り入れた「PH5 Contemporary」。シェードと内部リフレクターの色の組み合わせは、ホワイト&ローズ、ローズ&グリーン、アーミーグリーン&ダークグレー、ダークグレー&ターコイズブルーの4タイプ。シェードは光沢を抑えたマット塗装。各シェードを支える3本のパイプはブロンズ色、マット塗装です。

彩度を抑えた色づかい。PH5 Contemporary / ピーエイチファイブ コンテンポラリー

© louis poulsen

「PH5」は、対数螺旋という特殊なカーブを持つシェードや複雑な内部構造による、眩しさを感じないグレアレス設計。
それは端的に言うと、独特のカーブを描く大きさの異なるシェードを複数組み合わせることで、各シェードの内側に光を反射させてから、周りに光を拡散させるような構造。この構造により、シェードの隙間からは光源が見えにくくなり、直接光が目に入ることを防ぎ、不快な眩しさを抑えます。そして、下方には多くの柔らかい光が効率よく注がれ、上方には間接的な光が溢れ、全体として優しく心地良い光に包まれます。

北欧デザインの黄金期であった1950年代。
“グレア(眩しさ)のない照明、直接光と間接光の特性、陰影の重要性。そして、光をそれが必要とされる方向に導くこと”
これこそを生涯のテーマとして掲げたポール·ヘニングセンは、30年にも及ぶ光に関する研究と、自らの経験で培った集大成として、北欧照明を語る上で欠かすことのできない不朽の名作となった、「PH5」を生み出しました。

照明器具自体のデザインやフォルムを美しく見せるためではなく、どのようにして人々や空間を自然に美しく照らすことができるか、ということにこだわったポール·ヘニングセン。
日照時間が極めて短く、太陽の光線が届きにくい北欧の厳しい自然環境において、快適に心地良く過ごせるような良質な光を追求した「PH5」は、窓から差し込む自然光が美しい夕刻の時間帯を過ごすのにふさわしい人工照明として、多くの人々に受け入れられました。

彩度を抑えた色づかい。PH5 Contemporary / ピーエイチファイブ コンテンポラリー

デザイナー、ポール·ヘニングセン

「PH5」を世に送り出した1958年の11月、スウェーデンの新聞に以下のようなポール·ヘニングセンの言葉が掲載されています。

“人は24時間周期のリズムで生きており、爽やかな昼の光から暖かみのある夕暮れへの光の移ろいに、ゆっくりと順応するようにできている。過程での人工照明は言うなれば、黄昏どきの光の状態と調和すべきであり、それは黄昏特有の暖かみのある色の光を使うことによって実現可能だ。夕刻、ほかの部屋はまだ薄明かりが残っているような時間に、冷たい蛍光灯がリビングルームで煌々と光っているのは不自然。そして強烈な光は目をくらませ、物の色は正しく再現されず、自然な陰影は生まれない。”

この言葉を聞くと、「PH5」が決してデザインのためのデザインではなく、質の高い光によって、人や物、あるいは空間をいかに理想的に、いかに美しく照らすことができるかを追求し続けた結果、生み出された必然のデザインであるということが再認識できます。

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Brand:louis poulsen / http://www.louispoulsen.com/

Category:FEATURE

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