メイド·イン·ジャパンの扇風機、GreenFan Japan / グリーンファン ジャパン

国内家電ベンチャーの雄、BALMUDA(バルミューダ)が二重構造の羽根を用いて自然界の心地良い風を再現し、今までにない革新的な扇風機として「GreenFan(グリーンファン)」を世に送り出したのが、2010年4月。
その後も、さらに使い易さや省エネルギー性能を追求した改良版、「GreenFan2(グリーンファン2)」、「GreenFan2+(グリーンファン2プラス)」をリリースし、これまでの扇風機の常識を一変させ、一大ムーブメントを巻き起こしました。

そして2014年、本体の部材から組み立てまでを日本国内で賄い、前モデルの金型全てを一新するなどのフルモデルチェンジを行ったメイド·イン·ジャパンの扇風機、「GreenFan Japan(グリーンファン ジャパン)」を発表しました。

メイド·イン·ジャパンの扇風機、GreenFan Japan / グリーンファン ジャパン

© BALMUDA Inc.

2012年の”Red Dot Design Award”の”Product Design Award”受賞、2013年の”iF Design Award”において、”iF Product Design Award”を受賞した初代モデル、「GreenFan」のミニマムでありながらも先進性を感じるフォルム。
「GreenFan Japan」もまた、一見すると、以前までのモデルと全く違いがないように見えますが、その細部には前モデルのモダンさを強く意識したデザインから、適切且つ道徳的なデザインへのアプローチの変化が鮮明に表れています。

具体的には、かつてのモデルは軸となる円柱形の支柱と、上のファン部分や下のベース部分との接点にアールを付けて、それぞれが滑らかに繋がるようにしていました。それに対して、「GreenFan Japan」の支柱は上部に向けてわずかにすぼめ、ファン部分やベース部分との接点も直接的に繋げています。
これまでよりも接合部の見切りが明確になり、くっきりとした印象のデザインに変更されています。

メイド·イン·ジャパンの扇風機、GreenFan Japan / グリーンファン ジャパン

© BALMUDA Inc.

メイド·イン·ジャパンの扇風機、GreenFan Japan / グリーンファン ジャパン

© BALMUDA Inc.

“以前はいかにモダンな形に仕上げるかを追求し、それらしい表現にこだわっていたが、現在はそうした思い入れを捨て、適切且つ道徳的なデザインであることを重視している。”と語るのはバルミューダの寺尾社長。
“以前はモダンデザインを意識し、明らかにディティールにこだわり過ぎ、デザインし過ぎていた部分が多い。支柱の形を変えたのも、完全にまっすぐ立ち上がる円柱の形状よりも上部を少しだけすぼませるほうが安定して見え、安心して使ってもらえるから。”
そして、”室内で扇風機が一番ピカピカしている必要はない。住んでいる人やテーブル、椅子など、家の中にはもっとヒーローになるべき存在がある。家電は、こうしたモノたちより抑えた存在であるべきだと考えるようになった。”と続く。

自分本位の勝手な主観をできるだけ取り除いて、生活の道具として決して過剰ではなく、本質を見極め、本当に必要な価値をきちんと備えた存在であるためのデザイン。適切且つ道徳的なデザインという言葉には、原点に立ち戻ったバルミューダのそんな考え方が見て取れます。

メイド·イン·ジャパンの扇風機、GreenFan Japan / グリーンファン ジャパン

© BALMUDA Inc.

これまでの「GreenFan」シリーズにおいて特徴的であった、ベース部分の緑色に光る円いインジケーター。「GreenFan Japan」では、これをやめたことも大きな決断のひとつです。
「GreenFan Japan」をいかに自然な存在として成立させるかのディスカッションをしていた際に浮かび上がったのが、緑色に光る円いインジケーターの不自然さ。「GreenFan」シリーズのアイデンディティーともいえる象徴的な要素でしたが、実際になくしてみると、自然なシンプルさが思いのほか良いことに気付いたと寺尾社長は言います。
そのデザインは本当に必要か。これもまた、生活に寄り添う道具として、適切且つ道徳的なデザインかどうかを問うたときに辿り着いた答えの一つと言えます。

メイド·イン·ジャパンの扇風機、GreenFan Japan / グリーンファン ジャパン

© BALMUDA Inc.

2010年に発表された「GreenFan」はグリーンファンテクノロジーと呼ばれる特許技術の二重構造の羽根により、扇風機で初めて、体を包み込むような気持ちのいい自然界の風を再現。
世界で初めて扇風機にDCモーターを採用し、消費電力4Wという省エネルギー性能を達成したほか、限りなく無音に近い静音性能などが評価され、「高級扇風機」、「DC扇風機」という新しい市場を作りました。
そして、今回発表された「GreenFan Japan」では、最小消費電力が1.5Wという、ACモーターを搭載した従来型の扇風機に比べて1/20の省エネルギー性能を実現しています。

また、別売りのバッテリー&ドックを組み合わせれば、電源コードなしで自由に持ち運べるバッテリー内蔵型のコードレス扇風機として使うことも可能です。
ほかにも、今までにない全く新しい首振り機構によって、最大150度までの範囲で自由に首振り角度を設定できるようにするなど、こだわりの価値が随所に見られます。
国内製造へと全面的に切り替えたことも特筆すべき事項です。

メイド·イン·ジャパンの扇風機、GreenFan Japan / グリーンファン ジャパン

© BALMUDA Inc.

ただ、どうしても気になる点が一つだけあります。
「GreenFan Japan」を含めた「GreenFan」シリーズは、1台で2通りの使い方ができるという利点を持ち合わせています。
それは軸となる中間の支柱を取り外すことができ、通常のトールサイズからコンパクトなショートサイズに変えられるということ。
床置きだけでなく、サイドテーブルやキャビネットの上に置ける卓上型扇風機として使用できるほか、部屋の空気を循環させるサーキュレーターとしても活用することができるのです。

しかし、実際に中間の支柱を一旦取り外し、上のファン部分と下のベース部分を直接繋ぎ合わせてショートサイズにしたり、再度支柱をはめ込んでトールサイズに戻したりといった動作は非常に面倒。上のファン部分はそれなりに重さもあるため、サイズチェンジをする度に持ち上げることに煩わしさを覚えます。
例えば、日中はトールサイズで使用し、就寝時はショートサイズで使用するといった、日常的にサイズチェンジをする人にとっては特に強くその思いを感じるはずです。

また、取り外した際の支柱の一時的な保管場所にも困ります。
他のメーカーの扇風機では、ワンタッチボタンで支柱が伸び縮みし、わざわざ支柱を取り外すことなく、容易に高さ調節ができる機種もあります。但し、伸縮機能を付け加えた分、どうしても支柱の形が凸型にならざるを得ないため、見た目のスマートさには欠け、デザイン性においてはマイナスです。

確かに現在の「GreenFan」シリーズのデザインは、一本のすっきりとした支柱による、シンプルな美しい外観を確保しています。そしてこの形状こそが、求められるデザイン的要求を満たしたプロポーションなのかもしれません。
しかし、家電製品は道具であり、道具にはユーザーが必要とする目的があり、そのためには必要な要素をきちんと備えた存在であるべきだとするならば、道具としての使い易さについて、さらなる試行錯誤を重ね、これからの扇風機のスタンダードとして長く使い続けられることを前提とした、必要な価値を有したデザインを徹底的に追求して欲しいと願います。

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Brand:BALMUDA / http://www.balmuda.com/

Category:FEATURE

File Number:005