希少な図面やヴィンテージ品を展示「アルヴァ·アアルト-もうひとつの自然」

アトリエのアアルト 1945年 Aalto in his studio, 1945 © Alvar Aalto Museum photo: Eino Makinen

2018年9月15日(土)から11月25日(日)まで、神奈川県葉山町にある神奈川県立近代美術館·葉山にて、今年で生誕120周年となる建築家、アルヴァ·アアルトの生涯と作品を辿る展覧会「アルヴァ·アアルト-もうひとつの自然」展が開催されます。

20世紀を代表する偉大な建築家、アルヴァ·アアルト。フィンランド紙幣に肖像画が描かれていたほど母国フィンランドでは英雄的存在であり、間違いなくフィンランド·デザインのパイオニアと言える人物です。

ヴィープリの図書館、セイナツァロの村役場、パイミオのサナトリウム、ヘルシンキ工科大学、フィンランディア·ホール、マイレア邸、アアルト自邸など、アアルトが建築界に残した功績は公共建築から教会堂、個人宅、都市計画まで多岐に及びます。

希少な図面やヴィンテージ品を展示「アルヴァ·アアルト-もうひとつの自然」

アルヴァ·アアルト《ヴィープリ(ヴィーボルク)市立図書館》1927-1935年 カレリア(現ロシア)Viipuri(Vyborg)City Library, Vyborg, Karelia(today Russia), Alvar Aalto, 1927-1935 © Alvar Aalto Museum photo: Gustaf Welin

森と湖に恵まれた国、北欧フィンランドならではの自然を取り込み、自然と共生するアアルト建築。
1933年に設計された、フィンランドの都市パイミオの街の郊外に位置する結核患者のための療養所「パイミオ·サナトリウム」は、明るい外の光が差し込む大きな窓を通して、目の前に広がる松の森をいつでも見ることができるよう配慮されています。
また、屋上にある野外バルコニールーフの一部は波形にデザインされ、アアルト特有の有機的でゆるやかな曲線が見てとれます。それらは結核で患った患者の心を少しでも癒せればというアアルトの想いからでした。
周囲の自然環境との調和を考えて設計されたこの「パイミオ·サナトリウム」は世界的に高く評価され、現在もリハビリ施設として活用されています。

希少な図面やヴィンテージ品を展示「アルヴァ·アアルト-もうひとつの自然」

アルヴァ·アアルト《ニューヨーク万国博覧会 フィンランド館》1939年 Finnish pavilion, World’s Fair, New York, 1939 © Alvar Aalto Museum, Esto Photographics photo: Ezra Stoller / Esto Photographics Inc.

また、建築だけでなく、ドアノブなどの建具、家具、照明器具、ガラス器、テキスタイルなど、暮らしに関わる様々な作品を手掛け、北欧モダンデザインを牽引したアアルト。
1933年に発表された、フィンランド産の白樺の木を素材にした「スツール60」は、アアルトによって開発された革新的な曲げ木の技法を用いて作られたもの。製品化までに3年の歳月をかけて研究を重ねた結果、自然素材をふんだんに活かした丈夫で長持ちするローコストの製品作りを可能にしました。

1936年にデザインされた、フィンランドの湖からインスピレーションを受けてフリーハンドで描かれた、流れるようなフォルムが印象的なガラス器「サヴォイ·ベース」は、今や世界で最も有名なガラス作品のひとつであり、フィンランド·デザインのシンボルとして存在しています。

自然や素材との対話を繰り返しながら生み出された、シンプルでオーガニックなデザインを特徴とするアアルトの作品。人間的な柔らかさとぬくもりを感じさせる形状は日常に安らぎを与え、今日でもなお多くの人々の賛同を得ています。

希少な図面やヴィンテージ品を展示「アルヴァ·アアルト-もうひとつの自然」

アルヴァ·アアルト《サヴォイ・ベース》1936年 Savoy Vase, Alvar Aalto, 1936 © Vitra Design Museum, Alexander von Vegesack

日本では約20年ぶりとなる本格的なアアルトの大規模な回顧展。オリジナルのドローイングをはじめ、家具や照明器具、ガラス器などのヴィンテージ品、建築模型など計300点以上にも及ぶ作品と貴重な資料が一堂に展示されます。

また、当時の家具や備品を用いて忠実に再現された「パイミオ·サナトリウム」の一室や、アアルトデザインを体感できるよう代表的なスツールやアームチェアなどの家具が並べられた特設コーナー「アアルト ルーム」も公開されるほか、会期中は担当学芸員によるギャラリートークや北欧建築の専門家、和田菜穂子によるゲストトーク、さらにはインスタグラム·フォトコンテストやワークショップなどのイベント開催も予定されています。

ドイツのヴィトラ·デザイン·ミュージアムとフィンランドのアルヴァ·アアルト美術館によって企画され、これまでにドイツ、スペイン、デンマーク、フィンランド、フランスと、世界5ヶ国で開催されてきた、国際巡回展でもある本展。
日本では神奈川県立近代美術館を皮切りとして、2018年12月に名古屋市美術館、2019年2月に東京ステーションギャラリー、2019年4月に青森県立美術館と全国4会場を巡ります。

希少な図面やヴィンテージ品を展示「アルヴァ·アアルト-もうひとつの自然」

アルヴァ·アアルト《スツール 60》1933年 Stool 60, Alvar Aalto, 1933 © Vitra Design Museum photo: Jurgen Hans

アルヴァ·アアルト-もうひとつの自然

会期:2018年9月15日(土)〜11月25日(日)

会場:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1 神奈川県立近代美術館·葉山 第2·3展示室

開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)

休館日:月曜日(但し、9月17日、9月24日、10月8日は開館)

観覧料:一般1,200(1,100)円、20歳未満·学生1,050(950)円、65歳以上600円、高校生100円

※( )内は20名以上の団体料金。中学生以下と障害者手帳等をお持ちの方(及び介助者原則1名)は無料。

※ 本展の観覧券で同日に限り、同時開催のコレクション展 「描かれた「建物」」も観覧可。

※ 無料開館日:11月3日(土·祝)

※ ファミリー·コミュニケーションの日(毎月第1日曜日:10月7日、11月4日)は、18歳未満のお子様連れのご家族は割引料金(65歳以上の方を除く)で観覧可。

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2018_aalto