AINO AALTO Architect and Designer -Alvar Aaltoと歩んだ25年-

建築家、アルヴァ·アアルトの妻でありパートナーでもあったアイノ·アアルト。彼女の仕事はあまり知られていません。彼女は夫や仲間と共にArtek(アルテック)を立ち上げ、デザインに優れて使いやすい家具やグラスウェア、ファブリックなどのプロダクトデザインを多く手掛けています。
アルヴァ·アアルトの妻として、また、母としての素顔にも触れつつ、彼女の生き方を探求していくまたとない展覧会が現在都内で開催されています。

AINO AALTO Architect and Designer -Alvar Aaltoと歩んだ25年-

Children’s chair(子どものための椅子) / 1929.1932

AINO AALTO Architect and Designer -Alvar Aaltoと歩んだ25年-

Villa Mairea(マイレア邸) / 1939

AINO AALTO Architect and Designer -Alvar Aaltoと歩んだ25年-

The Aalto house, Riihitie(リーヒティのアアルト邸) / 1936

アイノ·マルシオ(後のアイノ·アアルト)がまだ無名の建築家であったアルヴァ·アアルトの事務所を訪ねたのは1924年(当時30歳)のことでした。この時から、彼との長いパートナー関係が始まります。
彼女が加わったことで、アルヴァの作品は使いやすく心地よいという「暮らしを大切にする」視線が加わり、空間に柔らかさや優しさが生まれたといわれています。
そのことが彼を世界的建築家の道へと歩ませたといっても過言ではありません。
彼の作品が、理屈や理論的主張が際立つ近代建築の中で、特異な位置を占めるのはアイノの影響が大きかったのは確かです。

1932年、まだ国際的な名声を得る前のアルヴァ·アアルトは、あるデザインコンペで妻のアイノに敗北を喫しています。その時のアイノの作品「アアルトグラス」はミラノ·トリエンナーレでも極めて高い評価を得ています。二人は互いの才能を認めあい、影響しあい、補完しあいながら本当のパートナーとして作品を作り続けました。
彼女は「日常生活こそデザインされなければならない」という信念のもとに、家具や照明器具、食器やクロスなど多くのデザインを手掛けました。小さな子供のグラスは滑らないように、しかも美しくデザインしました。実用的で簡潔で、しかも安く大量生産ができ、一般大衆も手に入れることができることを目指していました。
この考えは1930年代の精神に合致し多くの賛同者を得て、モダニズムデザインの本流となり、現代にまで引き継がれています。

アイノがアルヴァらと設立したアルテックも日常生活を豊かにするための家具や照明器具などを作ることが目的でした。シンプルでオーガニックなデザインは、今日でもなお多くの人々の賛同を得ているといえます。
また、アイノは写真家としても作品を残しています。身近な被写体を通してその中に潜む本質を見事に引き出している視座は、彼女の非凡さを垣間見せてくれます。

今回の展覧会では、建築家·デザイナー·フォトグラファーとしてのアイノ·アアルトの生涯を俯瞰するとともに、アルヴァ·アアルトの妻として、母としての素顔にもフォーカスしています。彼女の生きた時代はまさに戦争の世紀でした。祖国であるフィンランドは、大国ソ連とヒトラーのナチスに挟まれ、資源にも恵まれず決して豊かな国とは言えませんでしたが、その中で本当の豊かさを追い求めた彼女の生きざまは現代の私たちの暮らしにもヒントを与えてくれるものと思います。

AINO AALTO Architect and Designer -Alvar Aaltoと歩んだ25年-

会期:2016年8月12日(金)~10月31日(月9

会場:東京都江東区新砂1-1-1 Gallery A4

開館時間:10:00〜18:00(最終日は17:00まで)

休館日:土曜·日曜·祝日及び8月15日(月)~8月19日(金)

http://www.a-quad.jp